風に訊く 卯月 2023
桜が咲き始めた3月末に 母が亡くなりました
数え年で九十九歳、年齢に不足はありませんでしたが、
開花を待つように 体調は低下し、四日足らずの療養となりました。
生涯が終わる、命をしまうというのは とても大きな仕事で
一度しか経験することはできません。人は年齢を重ね、老いに至り
そして死んでいくんだよ、よく見て知っておきなさい。と己の身をもっての
最後の子育てとも言えます。私も介護や看病の際、負担から不満、不平もありましたが、
いま 最後の儀式を終えて 悲しみ以上に 大切なものを 得られた気持ちがあります。
母は亡くなる数日の間 何かというと ありがとうを繰り返していました。私も
母に ”ありがとう”をもう一度言いたいです。
前田雅道