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風に訊く  卯月  2023

[2023.04.20]

 桜が咲き始めた3月末に 母が亡くなりました

数え年で九十九歳、年齢に不足はありませんでしたが、

開花を待つように 体調は低下し、四日足らずの療養となりました。

 生涯が終わる、命をしまうというのは とても大きな仕事で

一度しか経験することはできません。人は年齢を重ね、老いに至り

そして死んでいくんだよ、よく見て知っておきなさい。と己の身をもっての

最後の子育てとも言えます。私も介護や看病の際、負担から不満、不平もありましたが、

いま 最後の儀式を終えて 悲しみ以上に 大切なものを 得られた気持ちがあります。

 母は亡くなる数日の間 何かというと ありがとうを繰り返していました。私も

母に ”ありがとう”をもう一度言いたいです。

 

                          前田雅道

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