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風に訊く 長月 2020

[2020.08.31]

アルベール カミユのペストを 読み直しました。1972年に買った本が家にありました。その当時の印象はわすれましたが、この間 この本は私とともにいました。読み終わるのに2か月以上を要しました。

本の中では それを診る医師に対して 病人を正面から見ないように、空腹時には診察するな、模範的な存在に、 すなわち決して恐怖をいだかず、精神は強壮でなければと、最期の終焉に対する、つまり死の観念にたいしてみずから強化し、自分たちには一つの哲学が必要だと思い 決めること、また 適度な陽気さを培うようにしながら 腐敗に導かれないようお酒も良いと しかしすべてにおいて節制を守ることが大事、つまりセルフコントロールに努め、医療技術とこれらの美徳を身に着ければ 毎日の疲労を避け、想像力を新鮮に保つこと などなどが語られていました。

一方、 世間では安倍首相の辞任が発表され、世の中も動きます。100年ほど前に出版されたカミユの言葉の中に 今も必要とされる事柄は余りあるほどです。もう一度、身を引き締めるコロナと感じました。

前田雅道

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